うみへび座の基礎情報
星座の名前 | うみへび(海蛇) |
---|---|
学名/読み方 | Hydra/ヒドラ |
略符 | Hya |
面積(順位) | 1303平方度(1位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
春/4月頃 |
20時南中 | 4月25日 |
隣り合った星座 |
いっかくじゅう座 おとめ座 かに座 からす座 ケンタウルス座 こいぬ座 コップ座 しし座 てんびん座 とも座 ポンプ座 らしんばん座 ろくぶんぎ座 |
うみへび座の概要
うみへび座の特徴
うみへび座は東西に長い星座で、最も巨大な星座です。頭部はかに座のすぐ南にあり、尾はてんびん座の南まで続いています。その背中にろくぶんぎ座、カラス座、コップ座を載せています。
うみへび座の心臓で赤く光る2等星コルヒドレ(ヒドラの心臓)は周囲に明るい星がないのでよく目立ちます。この星を「コルヒドレ」と名付けたのは16世紀のデンマークの天文学者ティコ・ブラーエです。アラビアではアルファルド(孤独なもの)と呼ばれていました。
うみへび座は、紀元前3500年頃のシュメール時代からある最も古い星座ですが、当初はさらに長い星座でした。なぜ、こんなに長い星座をつくったのでしょうか?
その当時はうみへび座は天の赤道と重なっていました。古代の天文学者が天の赤道の位置を表すためにその上に長い星座をつくったのかもしれません。
うみへび座は大きい星座なので、銀河や星団が点在しています。うみへび座銀河団という銀河団もあります。
うみへび座の見つけ方
うみへびの頭はかに座の南、しし座のレグルスとこいぬ座のプロキオンの中間点付近にあります。

また、ふたご座のカストルとポルックスを結んで東側に伸ばすとうみへび座の頭部を通ってコルヒドレに至ります。
うみへび座の見どころ
球状星団 M68

M68 © ESA/Hubble & NASA / 出典:ESA/Hubble
カラス座の足元にある球状星団です。春の星座には銀河が多いですが、球状星団は珍しいです。
口径10cmの望遠鏡でぼんやりした光の雲の上に、パラパラ星をまき散らしたように見えます。
渦巻銀河 M83

M83 © NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA) / Acknowledgment:W. Blair (STScI/JHU), Carnegie Institution of Washington (Las Campanas Observatory), and NOAO / 出典:ESA/Hubble
うみへびのしっぽ付近にある渦巻銀河です。口径5cmの望遠鏡で中心部が明るい淡い光斑に見えます。
うみへび座の神話・伝説
うみへび座のモデルは、ギリシャ神話に登場する怪物ヒドラです。ヒドラは9つの頭を持つ水蛇で、口からは毒を吐き出す恐ろしい怪物です。
ギリシャ神話の中では、ヘルクレスの冒険の途中で登場します。
おわりに
うみへび座の全体が良く見えるのは、5月初旬だと午後9時頃、6月初旬だと午後7時頃です。
一度、天空に横たわる巨大なへびを眺めて、その大きさを実感してみてください。
Special Thanks
「うみへび座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.9-40, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.88, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8