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星の明るさを表す「等星」と「等級」。ふたつの違いを解説します!

星の話をする時に頻繁に登場する言葉に、「等星」「等級」があります。

等星は、星の明るさを6段階に分けた時のグループ名のようなものです。

6等星には最も暗い星たちが、1等星には全天の星の中でも特に明るい星々が分類されています。

対する等級は、星の明るさを表した単位です。

「-1.46等級」や「0.77等級」といった具合に、マイナスや小数点を使って、星たちの明るさを細かく示しています。

「等星」は星を明るさごとに分けた時の呼び方

1等星と2等星の例
  • おおいぬ座のシリウスは1等星
  • 北極星であるポラリスは2等星

などなど、私たちにとてもなじみのある「等星」は、星々を明るさごとに分類した時の呼び方です。

「等星」という分類方法の生みの親は、紀元前のギリシャで活躍した天文学者・ヒッパルコス。ヒッパルコスは、夜空の星たちを明るさ別に「1等星」から「6等星」に分類しました。

6段階に分けられた星々のうち、最も明るく輝く星たちが1等星と呼ばれます。

1等星のグループに入る星は、前述のシリウスの他、七夕の織り姫星として知られる「こと座のベガ」、彦星とも呼ばれる「わし座のアルタイル」など、全天でもわずか21個しか存在しません。

1等星の おおいぬ座シリウス(左)、わし座のアルタイル(右) © NASA, ESA, H. Bond (STScI), and M. Barstow (University of Leicester) / 出典:ESA/Hubble  © NASA/JPL/Caltech/Steve Golden / 出典:NASA

一方、6等星に分類されているのは、とても暗い星ばかり。

ヒッパルコスは、「晴れた夜空を見上げた時に、人間の肉眼でかろうじて確認できる程度の明るさであること」を基準として、6等星の星を決定したのです。

現在では、6等星の(平均的な)明るさの約100倍が、1等星の(平均的な)明るさであることが分かっています。

6等星と5等星の明るさを比べると、5等星の方が2.5倍明るく、さらに4等星は5等星の2.5倍明るくなる……と順を追って計算していくと、最終的に約100倍の明るさの1等星にたどり着きます。

「等級」は星の明るさを細かく表す単位

等級の使い方の例

「等星」が星を明るさごとに分類するグループ名ならば、「等級」星の明るさを表す単位です。

例えば、全天で最も明るい1等星のシリウスは-1.46等級、シリウスと同じ1等星のアルタイルは0.77等級。

さらに、すべての星の明るさの基準となるベガの明るさはほぼ0等級(※)です。

等級を用いることで、同じ「等星」に分類される恒星であっても、それぞれの明るさをより細かく表現できるのです。

こと座の1等星 ベガ (左上で一際明るい星) © A. Fujii / 出典:ESA/Hubble

ベガの明るさを厳密に表すと、限りなく0等級に近い0.03等級です。しかし、ベガの明るさは「(ほぼ)0等級」とされ、他の星たちの明るさを測るための基準「ベガ等級」として用いられています。

等級や等星の数字が小さければ小さいほど、その星が明るいことを意味します。

上で述べたシリウスの-1.46等級と、アルタイルの0.77等級を比べると、数字にマイナスが付いているシリウスの方が明るいというわけです。

マイナスの方が暗い感じがしますが、真逆ですのでご注意ください!

等級は、私たちが地球上から見た時の星の明るさを表す「見かけの等級(視等級)」と、星の実際の明るさを表す「絶対等級」とに分けられます。詳しくは以下のページをお読みください。

まとめ

等星と等級の違いや、等星ごとの明るさの違いなどについてみてきました。

等星と等級は言葉が似ており混同しがちですが、星空観察をより楽しむためにも、それぞれの違いをしっかりと押さえておきましょう!

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