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心優しい馬人!ふたつの1等星が輝く華やかな星座!ケンタウルス座

星図 星座絵 星座線 ガイド
星座絵 星座線 ガイド

ケンタウルス座は、南天の星座ではありますが、日本の夜空にも輝いています。沖縄県まで出かければ、ケンタウルス座の全身を観察することができるでしょう。

「ケンタウルス」とは、体の上半分が人、下半分が馬という、ギリシャ神話に登場する種族(馬人)です。ケンタウルス族のひとり、心優しいフォロー(もしくはフォーロー)という名の馬人の姿が、ケンタウルス座であると伝わっています。

いて座も半人半馬のケンタウルス属の姿をしていますが、いて座の持つ武器は弓、ケンタウルス座の武器は槍という違いがあります。

ケンタウルス座の基礎情報

星座の名前 ケンタウルス
学名/読み方 Centaurus/ケンタウルス
略符 Cen
面積(順位) 1060平方度(9位)
作ったひと プトレマイオス・クラディオス(トレミー)
おすすめの
観測時期
夏/6月頃(一部南天)
20時南中 6月7日
隣り合った星座 うみへび座
おおかみ座
コンパス座
はえ座
ほ座
ポンプ座
みなみじゅうじ座
りゅうこつ座

ケンタウルス座の概要

ケンタウルス座の特徴

足元にふたつの1等星がきらめき、さらに複数の2等星からも構成されるケンタウルス座は、数ある星座の中でも明るく華やかな存在です

ケンタウルスの構える槍の先には、貫かれたオオカミの姿(=おおかみ座)が確認できます。

このおおかみ座、さらに、ケンタウルス座の傍で輝くみなみじゅうじ座は、昔はケンタウルス座に含まれていた星座です。

ケンタウルス座の見つけ方

みなみじゅうじ座(南十字星/サザンクロス)は、ケンタウルス座の場所を特定する際の目印となります。

みなみじゅうじ座は、その名の通り、南の空に十字を描くように並ぶ4つの星から構成された星座です。ケンタウルス座と同様に、みなみじゅうじ座にも明るい1等星がふたつ輝いているため、見つけることはそう難しくはないでしょう。

このみなみじゅうじ座を囲むように、左側に輝いている星々がケンタウルス座です

ケンタウルス座の中でも、特に明るく目立つ「リゲル・ケンタウルス(アルファ・ケンタウリ)」「ハダル」というふたつの1等星は、どちらもケンタウルスの足先に位置します

ケンタウルス座の見つけ方

日本では5~8月頃にかけて、ケンタウルス座を見ることができます。特に6月上旬あたりがおすすめですが、6月の日本の空は、なかなかスッキリとは晴れてくれません。雨雲に邪魔されないように、できるだけ晴れた夜空の日を選んで観測してみてください。

ただし、日本でケンタウルス座の全景を見るためには、沖縄県まで出かける必要があります。東京などでもケンタウルス座を観測できないことはありませんが、全身を見ることは不可能です。

星座絵 星座線 星座・恒星名 ガイド

ケンタウルス座の見どころ

リゲル・ケンタウルス(アルファ・ケンタウリ)

リゲル・ケンタウルスの写真

リゲル・ケンタウルス © Marco Lorenzi (Glittering Lights)  / 出典:NASA

リゲル・ケンタウルス(リギル・ケンタウルス/アルファ・ケンタウリ)は、ケンタウルス座のα星に当たる1等星です。黄色い光を放つリゲル・ケンタウルスは、太陽によく似た恒星として知られています。

ケンタウルス座の中でもひと際明るく輝くリゲル・ケンタウルスと、β星のハダルは、みなみじゅうじ座(南十字星)の場所を指し示す「ポインター」としての役割も持ちます。

ケンタウルス座ω(オメガ)星団 NGC5139

NGC5139の写真

NGC5139 © NASA, ESA and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA) / Acknowlegement:A. Cool (San Francisco State Univ.) and J. Anderson (STScI)) / 出典:ESA/Hubble

ケンタウルス座ω星団(オメガ星団/NGC5139)は、全天で最も大きく明るい球状星団です。

肉眼ではひとつの恒星のように見えるケンタウルス座ω星団ですが、望遠鏡で確認すると、多くの星々が集まっていることが分かります。

おわりに

残念なことに、日本のほとんどの地域では、ケンタウルス座の上半身しか見られません。

ですが、日本でもポピュラーな半人半馬のケンタウルス座は、太陽のような恒星リゲル・ケンタウルスや、巨大なケンタウルス座ω星団などの見どころがタップリです。

星座ファンならば、沖縄や南半球の国々まで足を延ばしてでも、一度はしっかり見ておきたいと願う星座のひとつなのではないでしょうか。

Special Thanks

「ケンタウルス座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。

Toxsoft: https://www.toxsoft.com/

沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
pp.9-40, 誠文堂新光社.
長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
p.129, 新紀元社.
国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
Astro Commons「星座境界線」(2016)
http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8
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