天駆ける勇猛な獅子しし座
しし座は、百獣の王ライオンの姿を描いた美しい星座です。
ライオンのしっぽにあたる「デネボラ」は春の大三角の星のひとつで、春の空のガイドとして知られています。
一等星「レグルス」があり、形も特徴的なしし座は、春の夜空の中では見つけやすい星座と言えるでしょう。
しし座の基礎情報
| 星座の名前 | しし(獅子) |
|---|---|
| 学名/読み方 | Leo/レオ |
| 略符 | Leo |
| 面積(順位) | 947平方度(15位) |
| 作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
| おすすめの 観測時期 |
春/4月下旬 |
| 20時南中 | 4月25日 |
| 隣り合った星座 |
うみへび座 おおぐま座 おとめ座 かに座 かみのけ座 こじし座 コップ座 ろくぶんぎ座 |
しし座の概要
しし座の特徴
春の代表的な星座で、黄道12星座のひとつです。シュメール時代(紀元前4000年)には獅子の星座として知られていた、大変古い星座です。
ギリシャ神話では勇者ヘラクレスに退治された人食いライオンとされています。
日本の一部では、雨樋を支える樋掛け(といかけ)に見立てて、「樋掛け星」と呼ばれていました。
しし座の見つけ方
春の宵(4月なら午後9時頃、5月なら午後7時頃)に南の空を見上げると、ひときわ明るく輝く2つの星が目に飛び込んできます。ひとつはオレンジ色の「アルクトゥルス」(うしかい座)、もうひとつは白い輝きの「スピカ」(おとめ座)です。
この2つの星から少し西(右)側に目を移すと、それらと結んでほぼ正三角形を描く位置に、やや明るい星が見つかります。これがしし座の「デネボラ」です。この3つの星が描く三角形は「春の大三角」と呼ばれ、春の夜空の重要な目印となります。
デネボラはアラビア語で「獅子の尾」を意味し、その名の通りしし座のしっぽの部分にあたります。そこからさらに西側へ視線を運ぶと、「?」を左右反転させた形に並ぶ星々が見つかるはずです。これがしし座の頭から前足の部分です。
これは西洋の草刈り鎌に似ていることから「獅子の大鎌」と呼ばれています。
しし座の見どころ
レグルス
しし座の一等星「レグルス」は、ライオンの胸元に青白く輝く星です。レグルスとは「小さい王」という意味で、その名付け親は地動説を唱えたコペルニクスと言われています。
全天に21個ある一等星のうち、最も暗い星ですが、実際の明るさ(絶対等級)は太陽の330倍もあります。
また、レグルスは秒速329㎞という壮絶な速さで自転しているので、赤道方向が膨らんだ形になっています。
レグルスは黄道に近いため、惑星や月との接近が比較的よく起こります。2026年には、月によってレグルスが隠れる「レグルス食」が観測されました。レグルス食は約9年周期で、頻繁に観測できる時期がやってきます。次回は2035年頃になるでしょう。
しし座流星群
しし座流星群(1833年)を描いた版画(Adolf Vollmy作, 1888年刊『Bible Readings for the Home Circle』より)
毎年11月には、しし座の方向から多くの流星が出現する「しし座流星群」が見られます。11月のしし座は、23時過ぎに東の空から昇ってきます。
しし座流星群は、33年毎に大出現を起こします。日本では2001年に1時間あたり数千個以上の流れ星が観測される「流星雨」になりました。次の大出現は2030年台と予測されています。
2つの銀河群
しし座にはたくさんの銀河が浮かんでいます。中でも明るい銀河が群れを成している場所が2つあります。それがM66銀河群とM96銀河群です。
M66銀河群
NGC3628(上)、M66(左下)、M65(右下) © Daniel Verschatse (Antilhue Observatory) / 出典:NASA
獅子の後ろ脚の付け根にある3つの渦巻銀河M65、M66、NGC3628で構成される銀河群です。地球からの距離は3500万光年です。
口径8cmの望遠鏡で3銀河が同一視野内にかすかな光のシミとして見えます。
M96銀河群
M95 © NASA, ESA, Hubble, ESO, Amateur Data; / Processing&Copyright:Robert Gendler & Roberto Colombari / 出典:NASA
M96 © ESA/Hubble & NASA, C. Sarazin et al. / 出典:ESA/Hubble
M105 © Nick Rose. / 出典:ESA/Hubble
獅子の腹の部分にある銀河群です。
渦巻銀河 M95、M96、楕円銀河 M105が含まれます。地球からの距離は3800万光年です。
口径10cmの望遠鏡で3銀河が同一視野に淡い光の破片のように見えます。
しし座の神話・伝説
おわりに
南の空では百獣の王に相応しく堂々としているしし座ですが、ヘルクレス座が東から昇ってくると、しし座は大慌てで西の地平線へ沈んでいくように見えます。
ぜひ一度、実際の夜空で確かめてください。
Special Thanks
「しし座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.9-40, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.42, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8