雄々しく美しい牡牛の上半身おうし座




日本では「昴」の名で知られているプレアデス星団を含む星座がおうし座です。
おうし座には赤い1等星アルデバランを含むヒヤデス星団もあり、冬を代表する華やかな星座です。
おうし座の基礎情報
星座の名前 | おうし(牡牛) |
---|---|
学名/読み方 | Taurus/タウルス |
略符 | Tau |
面積(順位) | 797平方度(17位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
冬/1月下旬 |
20時南中 | 1月24日 |
隣り合った星座 |
エリダヌス座 おひつじ座 オリオン座 ぎょしゃ座 くじら座 ふたご座 ペルセウス座 |
おうし座の概要
おうし座の特徴
おうし座は黄道12星座のひとつで、紀元前3000年ごろのシュメール時代から知られていました。
現在のおうし座は上半身だけが描かれていますが、シュメール時代には下半身もあり、背中にこぶがある牛だったそうです。ギリシャ神話では、フェニキア王の娘エウロパを誘うために大神ゼウスが変身した純白の牡牛の姿です。
おうし座はヒヤデス星団とプレアデス星団という巨大な散開星団があることで有名です。さらに目立つのが赤く輝く1等星アルデバラン、全天で13番目に明るい恒星です。
牡牛の右の角の先には「かに星雲」があります。
おうし座の見つけ方
オリオンの三つ星を結んだ線を西側に伸ばすと、赤い1等星アルデバランが見つかります。
そのまま、さらに西側に伸ばしていくと日本では「昴」と呼ばれているプレアデス星団があります。

アルデバランを先頭に星がV字型に並んでいるのが、牡牛の顔の部分です。
プレアデス星団は牡牛の肩に当たります。
おうし座の見どころ
α星 アルデバラン

アルデバラン © NASA, ESA, and STScI. / 出典:ESA/Hubble
牡牛の目のところで輝く1等星です。オレンジ色の巨星で、太陽の40~50倍の大きさを持っています。
質量は太陽の25倍あります。0.75等から0.95等までわずかに明るさを変える脈動変光星です。
ヒアデス星団と重なった位置に在りますが、ヒアデス星団とは無関係な星です。
散開星団 M45(プレアデス星団)

M45 © Roberto Colombari / 出典:NASA
和名では「すばる」と呼ばれ、平安時代に書かれた「枕草子」の中にも登場します。
肉眼でも6~7個の星が見える。7×50双眼鏡では60~70個もの星が散らばっていてとても美しく見えます。
地球から約400光年の距離にある若い星々の集団です。
散開星団 ヒアデス星団

ヒアデス星団 © NASA, ESA, and STScI. / 出典:ESA/Hubble
牡牛の顔の位置にV字に星が集まっているのがヒアデス星団です。
7×50双眼鏡では視野いっぱいに星が広がって見えます。
日本ではその形を釣鐘に見立てて「つりがね星」と呼ばれています。私たちから約150光年の距離にあります。
超新星残骸 M1(かに星雲)

M1
牡牛の右の角の先にある超新星残骸です。
大望遠鏡で撮影した写真ではその名の通りカニの姿を連想させます。口径10cm程度の望遠鏡では佐渡島のような形に見えます。
この星雲は1054年に爆発した超新星の残骸で、その時の記録が中国や日本の文献に残っています。
かに星雲の中心には、元の星の中心部分が中性子星として残っています。
おうし座の神話・伝説
おわりに
おうし座のプレアデス星団「すばる」は視力によって見える星の数が違うようです。普通の視力の人で6~7個、目のいい人なら10個以上の星が見えるそうです。
あなたも何個見えるか試してみてください。
Special Thanks
「おうし座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.115-144, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.32, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8