将棋の駒のような五角形ぎょしゃ座

ぎょしゃ座の基礎情報

星座の名前	ぎょしゃ（馭者）
学名／読み方	Auriga／アウリガ
略符	Aur
面積（順位）	657平方度（21位）
作ったひと	プトレマイオス・クラディオス（トレミー）
おすすめの 観測時期	冬／2月頃
20時南中	2月15日
隣り合った星座	おうし座 きりん座 ふたご座 ペルセウス座 やまねこ座

ぎょしゃ座の概要

ぎょしゃ座の特徴

ぎょしゃ座は1等星カペラを含む五角形と小さな三角形から成る星座です。

紀元前2000年頃のバビロニア時代に知られていた古い星座で、当時は子ヤギを抱く老人の姿としてみられており、それが星座絵としてそのまま残っています。

ギリシャ神話では、戦車を発明したアテネの王エリクトニウスがぎょしゃ座のモデルとされています。

ぎょしゃ座は天の川の中にあるため、多くの星団・星雲が存在しています。代表的なものが五角形の中央に一直線に並んだM36、M37、M38の散開星団です。

ぎょしゃ座の見つけ方

ペルセウス座の東、ふたご座の北西にある五角形の星の並びがぎょしゃ座です。

1等星カペラはぎょしゃ座の五角形の一角にあるので、カペラを見つければこの五角形が分かると思います。

おおいぬ座のシリウスとオリオン座のベテルギウスを結んで北にのばしていくと、カペラが見つかります。

また、カペラとおうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲル、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックスから成る「冬のダイヤモンド」から探し出すこともできます。

ぎょしゃ座の見どころ

α星(アルファ星)　カペラ

カペラというのは「メスの子ヤギ」という意味で、星座図で老人が抱く子ヤギのところで輝いています。

全天で6番目の明るさの恒星で、地球からは43光年離れています。この星は実は連星で、太陽の約2.5倍の重さをもつ2つの星が104日周期で回り合っています。

2つの星の距離は太陽・金星間の距離と同じくらいです。

散開星団　M36

3つ並んだ散開星団の真ん中がM36です。

3星団は小型双眼鏡では同じように小さな光の雲に見えますが、三者三様の特徴があります。M36は星の数が少ないながらも個々の星は明るく美しい眺めです。

散開星団　M37

3つ並んだ散開星団の最も南にあるのがM37です。

3星団の中では最も星数が多く、口径10cm程度の望遠鏡で見ると微星がぎっしりと集まって見えます。星の明るさがそろっているため、M36やＭ38と比べて均整がとれた姿です。

散開星団　M38

3つ並んだ散開星団の最も北にあるのがM38です。

3星団の中では最も大きく広がっていますが、淡くまばらな状態です。

口径10cm程の望遠鏡では星団の中央にやや明るい星が直線状に並んでいるのが分かります。

散光星雲　IC405

散開星団のM38のすぐ近くにある散光星雲です。

勾玉のような形をしているので「勾玉星雲」と呼ばれています。

この星雲の中央には「ぎょしゃ座AE星」があり、IC405はぎょしゃ座AE星の光によって輝いています。ぎょしゃ座AE星はオリオン座のM42から飛び出してきた星で、「ランナウェイ・スター」の異名があります。

おわりに

ぎょしゃ座を流れる天の川の中には、双眼鏡や小望遠鏡で楽しめる散開星団が並んでいます。

ぜひ双眼鏡や望遠鏡を向けてみてください。

沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』（2017）

pp.115-144, 誠文堂新光社.

長島晶裕／ORG 著『星座の神々　全天88星座の神話・伝承』（1999）

p.158, 新紀元社.

国立天文台「星座名・星座略符一覧（星座名の50音順）」（2019）

https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照：2019-7-3

Astro Commons「星座境界線」（2016）

http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照：2019-7-8