黄道第1番目の重要な星座おひつじ座
おひつじ座はギリシャ神話に登場する黄金の羊をモチーフとした星座です。秋から冬にかけて楽しめます。
星占いで最初に登場するおひつじ座は古代から重要な星座とされてきました。
おひつじ座の基礎情報
星座の名前 | おひつじ(牡羊) |
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学名/読み方 | Aries/アリエス |
略符 | Ari |
面積(順位) | 441平方度(39位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
冬/12月下旬 |
20時南中 | 12月25日 |
隣り合った星座 |
うお座 おうし座 さんかく座 くじら座 ペルセウス座 |
おひつじ座の概要
おひつじ座の特徴
おひつじ座が黄道十二星座の第一に据えられているのは、星占いが考え出された約2000年前に、おひつじ座に春分点があったからです。
春分点とは、昼と夜の長さが等しい春分の日に太陽が位置する天球上の位置のことで、天文学的に重要な場所です。地球上の位置を表すのに経度と緯度を使うように、天球上での星の位置は赤経・赤緯という座標で表します。
この座標の原点(赤経0度・赤緯0度)が春分点なのです。ちなみに現在の春分点は、地球の首振り運動のために隣のうお座に移っています。
おひつじ座生まれの人の誕生日は春なのに、おひつじ座は秋の星座です。これはちょっと不思議ですね。
春の夜にはおひつじ座は太陽と一緒に沈んでしまっているので、夜空でおひつじ座が見えるのは秋の季節というわけです。
おひつじ座の見つけ方
アンドロメダ座の南にさんかく座があります。
そこから等間隔に南にいったところに逆向きの三角形があります。これがおひつじ座の頭の部分です。
体の部分はプレアデス星団(すばる)との間に横たわっています。
おひつじ座の見どころ
二重星 γ星(ガンマ星)
おひつじ座の角の辺りにある二重星です。
口径5cm程度の望遠鏡でかんたんに分離することができます。
同じ明るさの白い星が2つ並んでいる姿は秋の夜の風情を感じさせます。
渦巻銀河 NGC772
NGC772 © ESA/Hubble & NASA, A. Seth et al. / 出典:ESA/Hubble
γ星の東にある渦巻銀河です。
口径20cm程度の望遠鏡で、淡いだ円形の光芒を見ることができます。
写真で見ると一本の腕が長く引き伸ばされたように見えます。これは近くにある銀河の重力による影響です。
おひつじ座の神話・伝説
おわりに
おひつじ座は明るい星が少なくて地味ですが、黄道星座のトップランナーです。
おひつじ座生まれの人は秋から冬に自分の星座を探してみましょう。
Special Thanks
「おひつじ座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.79-114, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.28, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8