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シリウスは全天で一番明るい星おおいぬ座

星図 星座絵 星座線 ガイド
星座絵 星座線 ガイド

全天の恒星は約7000あると言われていますが、そのなかで最も明るい星がおおいぬ座のシリウスです。

おおいぬ座は星座よりもシリウスの方が有名ですね。

おおいぬ座の基礎情報

星座の名前 おおいぬ(大犬)
学名/読み方 Canis Major/カニス・マイヨル
略符 CMa
面積(順位) 380平方度(43位)
作ったひと プトレマイオス・クラディオス(トレミー)
おすすめの
観測時期
冬/2月頃
20時南中 2月26日
隣り合った星座 いっかくじゅう座
うさぎ座
とも座
はと座

おおいぬ座の概要

おおいぬ座の特徴

おおいぬ座は冬の代表的な星座です。この犬はオリオンの猟犬でうさぎを追っている姿とも言われています。犬の口元で明るく輝くシリウスは、全天で最も明るい恒星です

また、シリウスとこいぬ座のプロキオン、オリオン座のベテルギウスを結ぶと美しい正三角形ができます。これが「冬の大三角形」です。

おおいぬ座の見つけ方

オリオン座の三ツ星を結んだ線を南東に延ばすとシリウスが見つかります。

もっとも、シリウスは全天一の輝星なのでわざわざ他の星をたどって見つけ出すという手間は必要ないかも知れません。シリウスはおおいぬの口に当たります。シリウスを含む3つの星で犬の顔をつくっています

 

おおいぬ座の見つけ方

少し視線を南に移動させると胴体や足やしっぽに当たる星が見つかるので、おおいぬ座の全体の姿を描き出すのは難しくありません。

星座絵 星座線 星座・恒星名 ガイド

おおいぬ座の見どころ

α星(アルファ星) シリウス

シリウスの写真

シリウス © NASA, ESA, H. Bond (STScI), and M. Barstow (University of Leicester) / 出典:ESA/Hubble

全天一の明るさで白く輝く星、シリウス。その名はギリシャ語で「焼きこがすもの」という意味の「セイリオス」が語源だと言われています。

これは、日の出直前の東の空にシリウスが顔を出すようになると焼けつくような暑い夏の季節になるからです。古代エジプトではシリウスが夜明け前に現れると決まってナイル川が氾濫するので、川の氾濫を知らせる特別な星として崇拝されていました。

シリウスが冬の夜空で明るく輝いているのは、地球からわずか8.7光年という近い距離にあるためです。

実はシリウスは日本から見える星では最も近いところにあります。全天でも6番目に地球に近い星です。シリウスの本当の明るさは太陽の40倍もあり、質量も太陽の2倍ある若い星です。

シリウスは二重星としても有名です。シリウスの伴星は直径が地球と同じくらいで、質量が太陽と同じくらいという高密度の星です。このような星を白色矮星と呼びます。

白色矮星は、星の一生の最終段階です。太陽も50億年後、やがて燃料の水素を使い果たして白色矮星になると言われています。

散開星団 M41

シリウスの少し南にある散開星団です。よく晴れた晩には肉眼でもかすかに見ることができます。7×50双眼鏡ではシリウスと同一視野で南北の両端に入り、なかなか美しい眺めです。

おおいぬ座の神話・伝説

おおいぬ座には複数の神話が伝わっています。

名犬・レラプス

月と狩りを司る女神・アルテミスの侍女・プロクリスは、大変賢い猟犬・レラプスを飼っていました。レラプスは足の速さもピカイチで、どんな獲物も逃がしたことがありません。

あるとき、巨大な化けギツネが現れて、家畜を次々に襲うことがありました。困り果てた人々を救うため、レラプスはキツネを捕えるよう命じられます。

さすが名犬というべきか、レラプスはすぐにキツネを追い詰めたのですが、キツネもしぶとく捕まりません。実はこの化けギツネは、誰にも捕まらないという運命にあったのです。

「絶対に獲物を逃がさない」レラプスと「絶対に捕まえられない」キツネ。

2匹の追いかけっこは永遠に終わりません。

これを見ていたゼウスはレラプスとキツネを憐れんで、2匹を石に変えました。さらにキツネのいない空にレラプスを上げて星座にしたのです。

忠犬・メーラ

アテネ王・イカリオスには、とても可愛がっている犬がいました。名前をメーラといいます。メーラはその愛情に応えるように、どんなときでもイカリオスに従いました。

やがてイカリオスは病にかかり、亡くなってしまいました。しかしメーラはイカリオスの墓のそばを決して離れません。食事もとらないまま、とうとうメーラもイカリオスの後を追うように死にました。

その後、メーラは忠孝ぶりを称えられて星座にされたということです。

オリオンの猟犬

おおいぬ座はオリオン座のすぐ近くにあるので、こいぬ座とともにオリオンが従えていた猟犬だと伝えられています。彼らは今も、オリオンの足元にいるうさぎを追いかけているのだとか。

うさぎうさぎ座
オリオン座の足元にある冬の星座。真っ赤な「クリムゾンスター」が有名。

おわりに

寒い冬の夜、南の空を見上げるとまず目に留まるのが全天一の輝星、おおいぬ座のシリウスです。冬の空を駆け回る犬の姿を思い描いてみると少しほっこりした気持ちになれるかも知れません。

Special Thanks

「おおいぬ座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。

Toxsoft: https://www.toxsoft.com/

沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
pp.115-144, 誠文堂新光社.
長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
p.168, 新紀元社.
国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
Astro Commons「星座境界線」(2016)
http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8
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