心臓に輝くアンタレスは火星のライバルさそり座
さそり座は黄道十二星座のひとつになっていて、星占いにも登場するので多くの人がその名前を知っていると思います。
しかし、実際に夜空でさそり座を見た人は案外少ないのではないでしょうか?
さそり座の基礎情報
星座の名前 | さそり(蠍) |
---|---|
学名/読み方 | Scorpius/スコルピウス |
略符 | Sco |
面積(順位) | 498平方度(33位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
夏/7月下旬 |
20時南中 | 7月23日 |
隣り合った星座 |
いて座 おおかみ座 さいだん座 じょうぎ座 てんびん座 へびつかい座 みなみのかんむり座 |
さそり座の概要
さそり座の特徴
さそり座は夏の大三角形と並ぶ夏の代表的な星座です。天の川の中にあるので多くの星団や星雲が存在し、見どころの多い星座です。
さそり座のシンボルは心臓部で赤く輝く一等星アンタレスです。アンタレスは太陽の数百倍の半径をもつ赤色巨星で、その名前には「火星に対抗する者」という意味があります。
S字カーブの星の並びがさそりの形を表しています。尾の近くには連続した星の並びがあり、毒針の位置にも星があります。
星の並びが釣針のように見えることから、日本では 「魚釣り星」と呼ばれていました。
さそり座の見つけ方
さそり座は日本では南の空の地平線近くに見えます。
夏の夜、南が開けた場所で、南の空低いところに赤く輝くアンタレスを見つけます。アンタレスの左下に星がS字を描くように並んでいるのがさそり座です。
空の暗い場所では天の川を目印にすることが出来ます。天の川を南に下って行って一番濃い部分の西側にさそり座があります。
さそり座の見どころ
散開星団 M6 M7
さそり座の尾の部分には、散開星団M6とM7が並んでいます。両方とも肉眼でも見ることができます。
M6 © Sergio Eguivar Buenos Aires Skies / 出典:NASA
北側がM6で満月の3分の2程の大きさがあり肉眼では星雲状に見えます。
M7 © Dieter Willasch (Astro-Cabinet) / 出典:NASA
南側がM7で満月と同じくらいの大きさで、肉眼でも1つ1つの星を確認できます。
球状星団 M4
M4 © T2KA, KPNO 0.9-m Telescope, NOAO, AURA, NSF / 出典:NASA
アンタレスのすぐ西には、球状星団M4があります。
目のいい人なら肉眼でも見つけることが出来ます。小さな望遠鏡があれば、多くの星が集まっているのを見分けることができます。
さそり座の神話・伝説
おわりに
さそり座は何といっても、赤く妖しく輝くアンタレスが印象的です。
火星がさそり座の近くを通りアンタレスと並んで輝くこともあるので、機会があれば火星とアンタレスの競演を見てみたいですね。
Special Thanks
「さそり座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.41-78, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.52, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8