13番目の黄道星座は球状星団の宝庫へびつかい座




あなたは「13星座占い」というのをご存知でしょうか?
伝統的な星占いでは誕生日を12の星座に割り当てます。これは生まれた時に太陽が位置していた星座を表しています。
しかし、これらの星座が決められたのは千年以上前で、現在では太陽の通り道には13の星座があります。その13番目の星座がへびつかい座です。
へびつかい座の基礎情報
星座の名前 | へびつかい(蛇遣) |
---|---|
学名/読み方 | Ophiuchus/オフィウクス |
略符 | Oph |
面積(順位) | 948平方度(11位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
夏/8月上旬 |
20時南中 | 8月5日 |
隣り合った星座 |
いて座 さそり座 てんびん座 へび座 ヘルクレス座 わし座 |
へびつかい座の概要
へびつかい座の特徴
へびつかい座は元々へび座と合わせてひとつの星座で、巨大な蛇を両手でつかんで立つ男の姿を表しています。
へびつかい座の片足がほんの少し黄道上にかかっています。そのため「13星座占い」ではさそり座といて座の間に、へびつかい座も登場するのです。
へびつかい座の領域は、「球状星団銀座」と言ってもいいほど多くの球状星団があります。へびつかい座は天の川の中心に近いため、多くの星団を見ることができるのです。
へびつかい座の見つけ方

さそり座のアンタレスの北、巨大な五角形の星の並びが、へびつかい座の目印です。
へびつかい座の見どころ
球状星団 M10

M10 © Till Credner, Sven Kohle (Bonn University), Hoher List Observatory / 出典:NASA
星が密集した典型的な球状星団です。へびつかい座の五角形の中心付近にあります。
双眼鏡でぼんやりとした光の雲に見えます。口径8cmの望遠鏡で周辺部に星が見えてきます。
球状星団 M12

M12 © ESA/Hubble&NASA / 出典:ESA/Hubble
M10のとなりにある球状星団です。
双眼鏡で小さな光のしみに見え、口径10cm程度の望遠鏡で星に分解できます。
球状星団 M14

M14 / 出典:タニカワプランネット
へびつかい座が南の空に高くあがった時、へびつかい座のβ星(ベータ星)の南、M10の東に見える球状星団です。
双眼鏡で小さな星雲状に見えます。個々の星を見るには大口径の望遠鏡が必要です。
へびつかい座の神話・伝説
おわりに
13星座占いが普及するとへびつかい座はもっと有名な星座になるかもしれません。
しかし、星占いに使われなくても、見ごたえのある球状星団が多いへびつかい座は星好きには注目の的です。
Special Thanks
「へびつかい座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.41-78, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.72, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8