MENU

小さなライオン!しし座と並んだ姿はまるで親子!こじし座

星図 星座絵 星座線 ガイド
星座絵 星座線 ガイド

「こじし座」の「こじし」は、小さなライオンを意味する「小獅子」です。明るい星がなく、面積も小さなこじし座は、決して華やかな星座ではありません。

こじし座を見られるエリアには、しし座、そして北斗七星などが輝いているため、多くの人々はこれら主役級の星座たちに気を取られてしまうことでしょう。

しかし、こじし座とその周囲を取り囲む星座をよく見てみると、さまざまなシチュエーションが思い浮かんできます。

こじし座の基礎情報

星座の名前 こじし(小獅子)
学名/読み方 Leo Minor/レオ・ミノル
略符 LMi
面積(順位) 232平方度(64位)
作ったひと ヨハネス・ヘヴェリウス
おすすめの
観測時期
春/4月下旬
20時南中 4月22日
隣り合った星座 おおぐま座
しし座
やまねこ座

こじし座の概要

こじし座の特徴

こじし座は、4等星以下の暗い星ばかりで構成された小さな星座です。

こじし座の中で最も明るい光を放つ4等星(46番星)には、「主要なもの」を意味する「プラエキプア」という立派な呼び名が付けられています。

しかし、特に注目を集める星ではないため、現在では「プラエキプア」という名で呼ぶ人はほとんどいません。

こじし座の周りを取り囲む動物たち
おおぐま座としし座に挟まれるこじし座

こじし座の周りには、色々な動物の星座が取り囲んでいて、さまざまなシチュエーションが思い浮かんできます。最もオーソドックスなものとしては、親ライオン(しし座)の傍に寄り添って、安心して寛ぐ子ライオン(こじし座)の姿ではないでしょうか。

人によっては、体の大きなしし座とおおぐま座に囲まれた狭いすき間で、居心地悪そうにうずくまる、かわいそうな小獅子を思い浮かべるかもしれません。

また、こじし座の頭の上には、やまねこ座の尻尾が垂れ下がっています。この位置関係は、ヤマネコが自分のこどもをあやすように、尻尾で小獅子を遊ばせているようにも見えますし、小獅子がヤマネコに狙いを定めて、今にも飛びかかろうとしている場面にも見えてきます。

こじし座の見つけ方

こじし座は、「小獅子」なだけあって、しし座のすぐ傍にあります。

こじし座を見つけるには、しし座の頭(ししの大鎌)から背中、そして、おおぐま座の足元に囲まれたエリアを探してみましょう。暗い4つの星々からなる、ひらがなの「へ」のような並びが見えたら、それがこじし座です

小さくなだらかな星の並びから、小獅子の姿を想像することは困難かもしれません。しかし星座絵には、しし座と同じ方角を向き、「伏せ」の姿勢をとる小獅子の姿が描かれています。

こじし座の見つけ方

こじし座自体は、夜空の中で目立つ存在ではありません。しかし、周囲の華やかな星座たちがガイドしてくれるお陰で、こじし座の位置を把握することはそれほど難しくはないでしょう。

星座絵 星座線 星座・恒星名 ガイド

こじし座の見どころ

こじし座R星

こじし座R星は、明るさが6等星から13等星まで変化する変光星です。明るさの変化が起こる周期は約372日。

こじし座R星が最も明るい光を放つ時には、美しい紅色に見えますが、この姿を観測するためには望遠鏡(口径5cm前後)が必要です。

こじし座R星の明るさが変わる現象は、この星が近い将来、寿命を迎えようとしていることを示していると考えられています。

42番星

こじし座の尻尾の先にある42番星は、ふたつの星から構成された二重星です。

星を分離するためには、望遠鏡(口径5cm程度)で観察してみましょう。

NGC3395/96

こじし座の後ろ足付近に位置するNGC3395/96は、ペアの渦巻き銀河です。ゆくゆくはひとつの銀河に変わるであろうといわれているNGC3395/96。

現在は、お互いの引力の影響によって、いびつな形となった銀河がふたつ並んでいる様子が観察できます。

こじし座の神話・伝説

こじし座は比較的新しく作られた星座であるため、神話や伝説などはありません。

ポーランドの天文学者へべリウスが、17世紀に設定した星座のひとつです。

おわりに

こじし座は4等星以下の星だけでできた星座で、とくに都会の空では見ることができないかもしれません。
しかし、おおぐま座としし座、ふたつの目立つ星座に挟まれているため、位置としては見つけやすい星座です。

また、こじし座は神話を持たない新しい星座です。それは、空を眺める私たちが先入観にとらわれず、こじし座にまつわるお話を自由に想像できる、ということでもあります。
あなたなら、こじし座の姿からどんなストーリーを思い描きますか?

Special Thanks

「こじし座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。

Toxsoft: https://www.toxsoft.com/

藤井旭 著『全天星座百科 改訂新版』(2013)
p.207, 河出書房新社.
沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の事典』(2007)
pp.28-29, ナツメ社.
沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
pp.9-40, 誠文堂新光社.
長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
p.194, 新紀元社.
国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
Astro Commons「星座境界線」(2016)
http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8
この記事をシェアする
arrow_upwardPAGE TOP