北極星を取り囲むドラゴンりゅう座
あなたは竜というと何を思い浮かべますか?
竜は神話やファンタジーには欠かせない想像上の動物ですが、星座の世界でも重要な位置を占めています。
りゅう座の基礎情報
星座の名前 | りゅう(竜) |
---|---|
学名/読み方 | Draco/ドラコ |
略符 | Dra |
面積(順位) | 1083平方度(8位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
春 |
20時南中 | 8月2日 |
隣り合った星座 |
うしかい座 おおぐま座 きりん座 ケフェウス座 こぐま座 こと座 はくちょう座 ヘルクレス座 |
りゅう座の概要
りゅう座の特徴
りゅう座は北極星を取り巻く様に位置しています。天の北極に近く、一年中見ることができます。
しかし、明るい星が少ないため、高くのぼる夏の方が見つけやすいでしょう。
りゅう座の見つけ方
りゅう座を探すには、こと座のベガ、こぐま座(北極星)、おおぐま座(北斗七星)を目印にします。
こと座のベガの北に竜の頭があり、こぐま座とおおぐま座にはさまれた場所に竜の尾があります。
どちらからたどって行っても竜の姿を見つけることができます。
りゅう座の見どころ
しぶんぎ座流星群(りゅう座イオタ流星群)
毎年1月4日頃の早朝、りゅう座方向から多くの流星が出現します。
流星群は空の一点(輻射点)を中心に放射状に流星が現れる現象で、輻射点が位置する星座名で呼ばれます。
かつてりゅう座イオタ星付近には「しぶんぎ座」という星座が設定されていたため、この流星群は「しぶんぎ座流星群」と呼ばれています。
実際には流星は全天にわたって出現するので、流星群を観測するときは寝転んで空全体を見渡すのが良いでしょう。
キャッツアイ星雲 NGC6543
NGC6543 © ESA,NASA,HEIC and The Hubble Heritage Team(STScI/AURA) / 出典:ESA/Hubble
りゅう座の体が折れ曲がっている部分にある惑星状星雲です。
キャッツアイ(猫目石)という宝石がありますが、竜が守っている宝石のような位置関係にあるのが面白いです。
小口径の望遠鏡で緑色の小さな星雲に見えます。中心部分が明るく光っていて名前の通り暗闇で光る猫の目の様です。
20cm以上の大口径の望遠鏡では複雑な構造を確認することができます。
おわりに
英語のドラゴンの語源は「はっきり見る」という意味のギリシャ語から派生したと言われています。
りゅう座を攻略して、竜の姿をはっきりイメージできるようになれば、「星座マスター」に一歩近づけますよ。
Special Thanks
「りゅう座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.41-78, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.80, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8