しっぽの先は北極星こぐま座
地球は北極と南極を結んだ軸を中心に自転しています。北半球では地球の自転軸の延長上にある「天の北極」付近に北極星があります。
夜空の星々は北極星を中心に反時計回りに回転しています。この北極星がある星座がこぐま座です。
こぐま座の基礎情報
星座の名前 | こぐま(小熊) |
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学名/読み方 | Ursa Minor/ウルサ・ミノル |
略符 | UMi |
面積(順位) | 256平方度(56位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
春/通年 |
20時南中 | 7月13日 |
隣り合った星座 |
きりん座 ケフェウス座 りゅう座 |
こぐま座の概要
こぐま座の特徴
こぐま座は北の空に輝く星座で、一年中見ることができます。おおぐま座の隣に位置し、星の並びは、おおぐま座の北斗七星とそっくりです。
そして、こぐま座の尻尾の先には北極星が輝いています。北極星は北の方角を教えてくれる星として、旅人、航海者、登山者にとっては古くから大切な星でした。
こぐま座の見つけ方
まず、北斗七星か、カシオペヤ座から北極星を探します。
北斗七星から北極星を見つけるには、ひしゃくの部分のβ星(ベータ星)とα星(アルファ星)を結んで、その長さを5倍延長します。そこにある星が北極星です。
カシオペヤ座から北極星を探し出すときは、まず、カシオペヤ座の「W」の両端の辺をそれぞれ延長して交わった点と、「W」の山の頂点になっているγ星(ガンマ星)を結びます。この線を5倍の長さに伸ばすと北極星にぶつかります。
北極星はこぐま座の尻尾の先になっています。北極星を柄の端として小さなひしゃくの形に星が並んでいるのがこぐま座です。
こぐま座の見どころ
α星(アルファ星) ポラリス(北極星)
ポラリス © NASA, ESA, G. Bacon (STScI) / 出典:NASA, ESA, G. Bacon (STScI)
実は北極星は伴星を持っています。口径8cmくらいの望遠鏡で見ると、小さな伴星が主星のそばに輝いているのが分かります。
主星との距離が近いので、見分けるのが難しい時がありますが、北極星はほとんど動かないので一旦視野に入れると落ち着いて観察できます。
こぐま座の神話・伝説
こぐま座のモデルとなったのは、若い狩人アルカスです。アルカスの母は、おおぐま座のモデルとなったカリストで、2人の親子は悲しい運命によって熊の姿に変えられてしまいました。
おわりに
天体観測では北極星はとても大切な星です。望遠鏡の位置調整にも北極星を使います。北極星の探し方は必ず覚えておきましょう。
Special Thanks
「こぐま座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.41-78, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.76, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8