秋の大四辺形は星座の案内役ペガスス座




秋の風情を表すのに「天高く馬肥ゆる秋」ということわざがあります。
これをもじって秋の星座を表現するなら「天馬高く昇る秋」といったところでしょうか。
秋の代表的な星座であるペガスス座のお話です。
ペガスス座の基礎情報
星座の名前 | ペガスス |
---|---|
学名/読み方 | Pegasus/ペガスス |
略符 | Peg |
面積(順位) | 1121平方度(7位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
秋/10月頃 |
20時南中 | 10月25日 |
隣り合った星座 |
アンドロメダ座 いるか座 うお座 こぎつね座 こうま座 とかげ座 はくちょう座 みずがめ座 |
ペガスス座の概要
ペガスス座の特徴
ギリシャ神話の天馬ペガススの前半身をかたどった星座です。
秋の夜空の天頂近くに輝く4つの星が長方形を作っています。これがペガススの胴体で、「秋の大四辺形」と呼びます。
この四辺形の各辺は東西南北に沿っていて、秋の星座を見つけるのに役に立ちます。
西の辺を南に伸ばすとみなみのうお座のフォーマルハウト、東の辺を南に伸ばすとくじら座 のデネブカイトス、東の辺を北に伸ばすとカシオペヤ座を通って北極星に至ります。
ペガスス座の見つけ方
秋の大四辺形がペガスス座の目印です。四辺形の内側には明るい星がほとんどないのでよく目立ちます。

2等星と3等星で構成されるWの形をつくるカシオペヤ座から、南に視線を動かすと、秋の大四辺形が見つかります。
ペガスス座の見どころ
球状星団 M15

M15 / NASA, ESA / 出典:ESA/Hubble
ペガススの鼻先にある大きくて明るい球状星団です。
口径10cm程度の望遠鏡で、中心部は雲のように見え、周辺部の星が砂粒をまき散らしたように見えます。球状星団の特徴がよく分かります。
渦巻銀河 NGC7331

NGC7331 / ESA/Hubble & NASA/D. Milisavljevic (Purdue University) / 出典:ESA/Hubble
ペガススの足元にある渦巻銀河です。
小口径の望遠鏡ではぼんやりとした光の帯に見えます。大口径の望遠鏡では美しい渦巻きが確認できます。
銀河群 ステファンの五つ子

ステファンの五つ子 / NASA, ESA and the Hubble SM4 ERO Team / 出典:ESA/Hubble
NGC7331のすぐ隣にある銀河群で、1877年にフランスの天文学者ステファンによって発見されました。
4つの互いに衝突している銀河と手前にある1つの銀河が重なって見えています。観測するには口径30cm以上の望遠鏡が必要です。
ペガスス座の神話・伝説
ペガスス座は、ギリシャ神話で勇士ペルセウスが怪人メデューサの首を切り落とした際、ほとばしった血のしみこんだ岩から現れた天馬(ペガサス)です。
その後ペルセウスはこの天馬にまたがって、アンドロメダ姫をお化けクジラの危機から助けました。
おわりに
秋も深まりペガスス座が天高く昇ると、秋の星座のオールスターが出揃った合図です。
読書の秋、スポーツの秋、食欲の秋ももちろん良いですが、星座観察の秋というのもオツなものです。
Special Thanks
「ペガスス座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.79-114, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.140, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8