リボンで結ばれた親子の魚うお座
うお座はアンドロメダ座とくじら座の間にある大きな星座です。
うお座は意外なことに1匹の魚ではなく、2匹の魚がひもで繋がれている姿が描かれています。
うお座の基礎情報
星座の名前 | うお(魚) |
---|---|
学名/読み方 | Pisces/パイシーズ |
略符 | Psc |
面積(順位) | 889平方度(14位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
冬/11月下旬 |
20時南中 | 11月22日 |
隣り合った星座 |
アンドロメダ座 おひつじ座 くじら座 さんかく座 ペガスス座 みずがめ座 |
うお座の概要
うお座の特徴
うお座は黄道12星座の最後の星座で、黄道と天の赤道が交わる春分点を持つ星座として知られています。
ギリシャ神話では女神アフロディーテと息子のエロスが魚に変身した姿とされています。
うお座の南西隣にはみずがめ座があり、みずがめ座の水瓶からこぼれたみずを飲み干しているのが、みなみのうお座です。みなみのうお座の魚も女神アフロディーテが変身した姿とされています。何か不思議な感じがしますね。
うお座の見つけ方
秋の大四辺形の、東の辺と南の辺を取り囲むようにローマ字の「L」のような形で星が並んでいます。これがうお座で、2匹の魚がリボンで結ばれている姿を表しています。
アンドロメダ座の方を向いている魚を「北の魚」といい、秋の大四辺形の南にある魚を「西の魚」といいます。
うお座の見どころ
渦巻銀河 M74
M74 © NASA, ESA, and The Hubble Heritage (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration) / 出典:ESA/Hubble
「北の魚」の尾のあたりにある渦巻銀河です。
口径10cmの望遠鏡で明るい中心部のまわりに雲状の光が見え、口径20cmの望遠鏡なら渦巻の腕が確認できます。
真上から渦巻を見る向きになるため、大望遠鏡で撮影した写真では大きく開いた渦巻の様子がとてもきれいに見えます。
二重星 α星(アルファ星)
魚を結ぶひもの折り返し点に位置する星です。
口径10cmの望遠鏡で2つの星に分離して見えます。この2つの星は連星で、720年の周期で巡り合っています。
不規則銀河 NGC520
NGC520 © NASA, ESA, the Hubble Heritage Team (STScI/AURA)-ESA/Hubble Collaboration and B. Whitmore (STScI) / 出典:ESA/Hubble
α星の西にある不規則銀河です。2つの渦巻銀河が衝突している最中で、とても奇妙な形をしています。
口径30cmの望遠鏡で光の帯として観測できます。この銀河の特長的な姿を見るには、より大口径の望遠鏡が必要です。
うお座の神話・伝説
おわりに
うお座は地味な星座ですが、形が整っているので2匹の魚の姿を捉えるのは難しくありません。
みなみのうお座と魚の形を比べてみるのも面白いでしょう。
Special Thanks
「うお座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.79-114, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.68, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8