MENU

ペガススの弟?謎に包まれた全天で2番目に小さな星座!こうま座

星図 星座絵 星座線 ガイド
星座絵 星座線 ガイド

こうま座は、10月頃に見ごろを迎える秋の星座です。

こうま座を漢字で書くと、「小馬座」、もしくは「子馬座」となります。この漢字からも分かるように、こうま座は「小さな子どもの馬」を表した星座です。

日本ではその昔、馬の子を意味する「駒座(こまざ)」とも呼ばれていました。

トレミー(プトレマイオス)の48星座に数えられ、紀元前から存在する古い星座でもあるこうま座ですが、残念なことに伝説や神話は伝わっていません。

こうま座の正体についてもハッキリとしておらず、すぐ隣に位置するペガスス座の弟馬「セレリス(ケレリス)」であるという説や、ポセイドン(海や馬を司る神様)が砕いた大きな岩から飛び出した馬であるという説など、いくつかの説があります。

こうま座の基礎情報

星座の名前 こうま(小馬)
学名/読み方 Equuleus/エクレウス
略符 Equ
面積(順位) 72平方度(87位)
作ったひと プトレマイオス・クラディオス(トレミー)
おすすめの
観測時期
秋/10月頃
20時南中 10月5日
隣り合った星座 いるか座
ペガスス座
みずがめ座

こうま座の概要

こうまの特徴

こうま座の特徴といえば、何といってもその小ささでしょう。全天で最も小さな星座は、南半球に輝くみなみじゅうじ座(サザンクロス)ですが、こうま座はみなみじゅうじ座の次に面積の狭い星座なのです。

面積が小さいだけではなく、こうま座には明るい星もありません。こうま座の中で一番明るい星は、唯一の4等星であるα(アルファ)星です。

こうま座α星の固有名「キタルファ」とは、アラビア語で「馬の一部分」を意味します。その名の通りキタルファは、馬の一部である「頭頂部」に位置しています。

キタルファ以外の主な星たち、γ星(ガンマ星)、δ星(デルタ星)、β星(ベータ星)には固有名が存在せず、全て5等星以下です。それぞれ、小馬の鼻先(γ星)、下あご(δ星)、首の付け根(β星)で控えめに輝いています。

このα、γ、δ、β星をつなぎ合わせると浮かび上がってくる台形が、こうま座です。

こうま座の見つけ方

日本におけるこうま座の見頃は10月上旬、20時南中は10月5日です。

こうま座は南の空にその姿を現しますが、明るい星がないため、なるべく暗い場所で探すようにしましょう。よく晴れた、雲の少ない日を選ぶことも大切です。

こうま座を見つけるには、こうま座の「兄」という説が有力なペガスス座が目印となってくれるでしょう

ペガスス座の鼻先に光るε(イプシロン)星「エニフ」。アラビア語で「馬の鼻」を指すエニフと、少し離れた場所にあるいるか座の中央に、こうま座は位置しています。

こうま座の見つけ方

明るい星の多いペガスス座ですが、エニフも2等星と非常に目立ちますので、探すことは難しくはないでしょう。

星座絵 星座線 星座・恒星名 ガイド

こうま座の見どころ

こうま座ε星

こうま座ε(イプシロン)星は、小馬の頭部を表す4つの星からは少し離れた場所で輝く重星です。

小口径(6cm前後)の望遠鏡でこうま座ε星を覗いてみると、淡いブルーとイエローのふたつの星に分離できます。

口径25cm程の望遠鏡を用意しておくと、明るい方の星(主星)をさらにふたつに分けることができるでしょう。

こうま座γ星

小馬の鼻先に位置するこうま座γ(ガンマ)星は、明るさを変える「変光星」のひとつです。

さらに、双眼鏡を使えば、4.7等と6.1等のふたつの星に分離できる二重星でもあります。

おわりに

こうま座の星の並びは小さな台形ですが、星座絵の中では、兄(?)のペガススにぴったりと寄り添う小馬の姿が描かれています。

しかし、ペガスス座が頭部から上半身まで堂々と描かれているのに対して、こうま座はこじんまりと「顔」だけしかなく、ペガススに特徴的な翼を持っているのかも不明です。

出自ばかりではなく、その姿も謎めいている小馬を、秋の夜空に探してみてはいかがでしょうか。

Special Thanks

「こうま座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。

Toxsoft: https://www.toxsoft.com/

沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
pp.79-114, 誠文堂新光社.
長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
p.140, 新紀元社.
国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
Astro Commons「星座境界線」(2016)
http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8
この記事をシェアする
arrow_upwardPAGE TOP