美しい渦巻銀河M33さんかく座
晩秋から初冬の宵に、ほぼ真上を見上げると、アンドロメダ座の南で3つの星が二等辺三角形を作っているのが見られます。
これが三角定規をモチーフとしたさんかく座です。
さんかく座の基礎情報
星座の名前 | さんかく(三角) |
---|---|
学名/読み方 | Triangulum/トリアングルム |
略符 | Tri |
面積(順位) | 132平方度(78位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
秋/12月頃 |
20時南中 | 12月17日 |
隣り合った星座 |
アンドロメダ座 うお座 おひつじ座 ペルセウス座 |
さんかく座の概要
さんかく座の特徴
さんかく座は最も明るい星で3等星と、明るい星座ではありませんが、小さく形が整った三角形は昔からよく目についたようで、古代ギリシャ人は「デルトトン」と呼んでいました。これはギリシャ文字のΔ(デルタ)のことです。
また、エジプトでは「ナイルの三角州」を表した星座と言われていました。
さんかく座はアンドロメダの隣にある小さな星座ですが、さんかく座にはアンドロメダ大銀河に匹敵する美しさの渦巻銀河M33が存在します。
さんかく座の見つけ方
まず秋の大四辺形の東北の星からアンドロメダ座の星の並びを頭から足までたどり、アンドロメダの左足に当たるγ星(ガンマ星)の南を探します。
3つの星が小さな二等辺三角形を形作っているのがさんかく座です。
さんかく座の見どころ
渦巻銀河 M33
M33 © NASA/ESA and The Hubble Heritage Team (AURA/STScI) / 出典:ESA/Hubble
さんかく座の西の端にある渦巻銀河です。
アンドロメダの腰に当るβ星(ベータ星)をはさんでアンドロメダ大銀河とほぼ対照的な位置関係にあります。
条件のいい空でもよほど眼がいい人でないと肉眼で見つけるのは難しいですが、双眼鏡では簡単に視野に導入することができます。口径10cm程度の望遠鏡で渦巻の2本の腕の形が分かります。
二重星 15番星
三角形の東にある二重星です。7×50の双眼鏡で2つの星に分離できます。
主星の赤い星と伴星の白い星との色の対比が美しいです。
さんかく座の神話・伝説
さんかく座は古い歴史を持つ星座ですが、これといった神話は伝わっていません。
ギリシア時代には大文字のデルタ「Δ」に似ているので「デルタ座(デルトトン)」と呼ばれていました。中世以降は、カトリック教会の司教が被る三角形の頭巾にも見立てられていたようです。
おわりに
小さなさんかく座ですが、アンドロメダ大銀河M31に引けを取らない美しさの銀河M33があります。
M31とM33の2つの銀河を見比べてみるのも面白いと思います。
Special Thanks
「さんかく座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.79-114, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.156, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8