秋の夜空にただ一つ輝く一等星フォーマルハウトみなみのうお座
秋の夜空には明るい星が少なく寂しいですが、秋の星座にはただ一つ一等星があります。それが、みなみのうお座にあるフォーマルハウトです。
みなみのうお座の基礎情報
星座の名前 | みなみのうお(南の魚) |
---|---|
学名/読み方 | Piscis Austrinus/ピスキス・アウストリヌス |
略符 | PsA |
面積(順位) | 245平方度(60位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
秋/10月頃 |
20時南中 | 10月17日 |
隣り合った星座 |
けんびきょう座 ちょうこくしつ座 つる座 みずがめ座 やぎ座 |
みなみのうお座の概要
みなみのうお座の特徴
みなみのうお座は、紀元前3200年頃のシュメール時代から知られていた古い星座で、南の空低くに輝く星座です。
星座図には、みずがめ座の水瓶から流れ出す水を飲みほしている魚の姿で描き出されています。
みなみのうお座の見つけ方
秋の大四辺形の西の辺を南に伸ばすと、魚の口に輝く1等星フォーマルハウトにぶつかります。
フォーマルハウトから西の方にある星をつないでできる星座がみなみのうお座です。
みなみのうお座の見どころ
α星(アルファ星) フォーマルハウト
フォーマルハウト © NASA,ESA,and the Digitized Sky Survey 2 / Acknowledgment:Davide De Martin(ESA/Hubble) / 出典:ESA/Hubble
秋の星座の中でただ一つの一等星です。本来は白色の星ですが、南の空に低く見えるため、赤っぽく見えます。
秋の夜空に一つだけぽつんと光っているところから、日本では「南のひとつぼし」や「ひとつぼっさん」と呼ばれています。
1983年、フォーマルハウトの周りに、円盤状に塵が存在していることが発見されています。
こうした円盤があるということは、フォーマルハウトの周囲に惑星が存在する可能性があることを示しています。
β星(ベータ星)
みなみのうお座の背中にある二重星です。4.4等の主星に7.9等の伴星がくっついています。
口径8cm位の望遠鏡で2つの星に分かれて見えます。
γ星(ガンマ星)
フォーマルハウトの南にある二重星です。2つの8等星が並んでいます。
口径20cm程度の望遠鏡で分離することができます。
渦巻銀河 NGC7314
みなみのうお座の腹にある渦巻銀河です。
光度11.6等と暗いので、見るだけでも口径10cm以上の望遠鏡が必要です。大気の澄んだところでは、口径20cmの望遠鏡で楕円形の銀河の姿を楽しむことができます。
おわりに
フォーマルハウトは一等星なので都会の空でも南が開けている場所なら簡単に見つけることができると思います。
空気の澄んだ暗い空なら、水を飲みほしている魚の姿をたどれるかも知れません。
Special Thanks
「みなみのうお座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.79-114, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.136, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8