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「王の心臓」コル・カロリがつくる春のダイヤモンドりょうけん座

星図 星座絵 星座線 ガイド
星座絵 星座線 ガイド

うしかい座の牛飼が連れている2匹の猟犬を描いた星座がりょうけん座です。

りょうけん座の3等星コル・カロリは春の夜空では重要な星です。

りょうけん座の基礎情報

星座の名前 りょうけん(猟犬)
学名/読み方 Canes Venatici/カネス・ベナチキ
略符 CVn
面積(順位) 465平方度(38位)
作ったひと ヨハネス・ヘヴェリウス
おすすめの
観測時期
春/6月上旬
20時南中 6月2日
隣り合った星座 うしかい座
おおぐま座
かみのけ座

りょうけん座の概要

りょうけん座の特徴

りょうけん座はポーランドの天文学者ヘベリウスが1687年頃につくった新しい星座です。元々はおおぐま座の一部だった2頭の猟犬を星座として独立させました

りょうけん座の3等星コル・カロリは「チャールズ王の心臓」という意味です。昔の星図には「チャールズ王の心臓座」という星座が掲載されています。

1649年に清教徒革命で処刑されたイギリス王チャールズ1世の鎮魂のためとも、1660年に王政復古を果たしたその息子のチャールズ2世を讃えたものとも言われています。

りょうけん座の領域には多くの銀河があり、複数の銀河が集まってグループ(銀河群)を形成しています。代表的なものにM51銀河群、M106銀河群などがあります。

りょうけん座の見つけ方

北斗七星の南、北斗七星の柄と平行に並ぶ2つの星が目印です。東側の星が3等星コル・カロリ、西側の星が4等星カーラ(かわいい犬)です。

りょうけん座の見つけ方

うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラの春の大三角にコル・カロリを加えると大きなダイヤモンドの形を描くことができます

これを春のダイヤモンドと呼び、春の星座を探す時の道しるべになります

星座絵 星座線 星座・恒星名 ガイド

りょうけん座の見どころ

二重星 コル・カロリ

南側の犬の首にあるコル・カロリは光度差の大きい二重星です。口径6cmの望遠鏡で2つの星に分かれて見えます。

渦巻銀河 M51 子持ち銀河

M51の写真

M51 © NASA,ESA,S.Beckwith(STScI),and The Hubble Heritage Team(STScI/AURA) / 出典:ESA/Hubble

北斗七星の柄の先端からコル・カロリの方向に4分の1程移動したところにある渦巻銀河です。大小2つの銀河がつながっているように見えることから「子持ち銀河」と呼ばれています。

7×50双眼鏡では1つの光班に見えます。口径6cm程の望遠鏡で2つの光の雲を見ることができます。地球から2200万光年離れたところにあり、M63などと銀河群を形成しています。

渦巻銀河 M63

M63の写真

M63 © NASA,ESA,S.Beckwith(STScI),and The Hubble Heritage Team(STScI/AURA) / 出典:NASA

コル・カロリから北斗七星の柄の先端に向かって3分の1移動した辺りにある渦巻銀河です。

口径10cm程度の望遠鏡ではだ円形の光の斑点として見えます。口径20cmくらいの望遠鏡で中心部が明るく輝きその周辺をぼんやりした淡い光が取り巻いているのが分かります。

渦巻銀河 M106

M106の写真

M106 © R Jay Gabany / 出典:NASA

りょうけん座のカーラと北斗七星のひしゃくの底にあたる星のほぼ中間にある渦巻銀河です。

口径20cmくらいの望遠鏡で佐渡島のような形に見えます。地球から1600万光年離れたところにあり、M94などと銀河群を形成しています。

渦巻銀河 M94

M94の写真

M94 © Marcin Paciorek / 出典:NASA

コル・カロリのすぐ北にある渦巻銀河です。口径10cm程度の望遠鏡で小さめの球状星団のように見えます。

おわりに

りょうけん座は明るい星は在りませんが、春のダイヤモンドの星の一つコル・カロリがあります。

また、銀河が沢山見える領域なので是非望遠鏡で観察してみてください。

Special Thanks

「りょうけん座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。

Toxsoft: https://www.toxsoft.com/

沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
pp.9-40, 誠文堂新光社.
長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
p.194, 新紀元社.
国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
Astro Commons「星座境界線」(2016)
http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8
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