7つの星がつくる宝冠かんむり座
かんむり座は、うしかい座のすぐ北東に7つの星がかわいらしい半円形をつくっている星座です。小さく暗い星座ですが、星の並びは整っているのでよく目につきます。
かんむり座の基礎情報
星座の名前 | かんむり(冠) |
---|---|
学名/読み方 | Corona Borealis/コロナ・ボレアリス |
略符 | CrB |
面積(順位) | 178平方度(73位) |
作ったひと | プトレマイオス・クラディオス(トレミー) |
おすすめの 観測時期 |
夏/7月頃 |
20時南中 | 7月13日 |
隣り合った星座 |
うしかい座 へび座 ヘルクレス座 |
かんむり座の概要
かんむり座の特徴
かんむり座は半円形の星の並びを宝冠に見立てた星座です。ギリシャ神話では酒の神ディオニュソス(バッカス)が妃アリアドネに贈った冠とされています。
かんむり座で一番明るい星は2等星ゲンマです。ゲンマとは「宝石」という意味なので、いかにも宝冠にふさわしい名前です。
かんむり座には見どころというより、珍しいタイプの星が2つあります。煙幕に隠れるR星と核爆発を繰り返すT星です。
かんむり座の見つけ方
かんむり座はうしかい座の東に接している星座です。ポイントはネックレスのように半円形に並んだ星の中に2等星ゲンマがひときわ明るく輝いていることです。
うしかい座の頭にある星と右肩にある星を結んで同じ距離だけ延長したところにこの星があります。
かんむり座の見どころ
変光星 R星
半円の中心より少し東に寄ったところにある変光星です。
普段は6等級で輝いていますが、前触れなしに突然暗くなることがあります。暗くなり始めてから2~3週間で7~15等級の暗さになります。
いつ暗くなるのか、どのくらい暗くなるのかも予測できません。この星は炭素が豊富でときどき炭素の塵を噴出して、それが星の光を遮っていると考えられています。
新星 T星
冠の東側にある星です。通常は11等級程の暗い星ですが、突如2~3等級の明るさになります。
この星は白色矮星と赤色巨星からなる連星系で、水素ガスが赤色巨星から白色矮星に流れ込んでいます。
白色矮星に落ち込んだ水素ガスがある一定の量を超えると核融合反応を起こし突然明るく輝き出します。
おわりに
かんむり座は、6月下旬だと午後9時頃、7月下旬だと午後7時頃に天頂付近で輝きます。
半円形に並んだ星々が美しい冠のイメージに見えるか確かめてみてください。
Special Thanks
「かんむり座の見つけ方」に掲載している画像の背景の星図は、ToxsoftさまのStella Theater Proを使用して作成しました。
Toxsoft: https://www.toxsoft.com/
- 沼澤茂美・脇屋奈々代 著『星座の図鑑』(2017)
- pp.41-78, 誠文堂新光社.
- 長島晶裕/ORG 著『星座の神々 全天88星座の神話・伝承』(1999)
- p.96, 新紀元社.
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名の50音順)」(2019)
- https://www.nao.ac.jp/new-info/constellation.html 参照:2019-7-3
- Astro Commons「星座境界線」(2016)
- http://astro.starfree.jp/commons/constellation/boundary.html 参照:2019-7-8