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すいせい彗星

「彗星(すいせい)」とは太陽の周囲を回る小型の天体の一種である。英語では「コメット(comet)」

長く伸びた「尾」を持つ彗星の姿は、竹から作られた昔懐かしい掃除道具「竹ぼうき」によく似ている。このことから、彗星は「ほうき星(ほうきぼし)」とも呼ばれている。

2020年に観測された「ネオワイズ彗星」(C/2020 F3)。

彗星も、私たちが住む地球のような惑星も、「太陽の周りを回る」という動きは共通している。しかし、多くの彗星が「細く長く伸びた楕円」のような軌道を描くのに対して、惑星は「キレイな円(真ん丸)」に近い軌道を描くという違いがある。

彗星は、太陽や地球に接近した時のみに地球上から見ることができるが、その周期は彗星の種類によってさまざまだ。

彗星の種類は、周期別に3つに分けられる。太陽や地球に近付く周期が200年以内と、比較的短い周期を持つ彗星を「短周期彗星」周期が200年以上のものを「長周期彗星」と呼ぶ。
さらに、一度太陽に接近したら二度とは戻らない「非周期彗星」も存在する。非周期彗星は、楕円ではなく放物線のような軌道を持つことが分かっている。

彗星の構造は、「核」と「コマ」、そして「尾」の3つに分割して語られることが多い。
彗星の本体は、氷や二酸化炭素、宇宙に漂う塵(ちり)などからできている「核」。この部分が彗星の「頭」に当たる。
彗星の核を的確に表現した言葉が、「汚れた雪だるま」である。ギュッと固められた雪(=氷)と、ほこりや土などが混ざりあった薄黒い雪だるまを思い浮かべてみると、彗星の核の姿がイメージしやすいだろう。

彗星の核が太陽によって温められ、放出したガスなどが発光したものが「コマ」。コマは核を包み込むように、ボーッと光を放っている。 さらに、彗星に特徴的な「尾」も、核から放出されたガスや塵(ちり)の姿である。

ちなみに、「彗星(すいせい)」と同じ読み方を持つ「水星」は、太陽系に存在する惑星のひとつである。彗星ではないので、混同しないようにご注意を。

ハレー彗星で地球が滅ぶ?!

光る尾をなびかせながら夜空に現れる彗星は、幻想的でありながらもどこか不気味な印象を受ける。そのため、彗星は古くから「不吉の象徴」と考えられ、人々に恐れられてきた。

1910年に「ハレー彗星」という名の彗星が地球にやってきた際には、「ハレー彗星の尾には毒がある!その毒は一時的に地球上の酸素を奪い、生物はみんな窒息死してしまうらしい!」といったウワサ話(もちろんデマ)が流れ、大騒ぎになったという話は有名。

ハレー彗星の尾に有毒なシアン化合物が含まれていることは事実だが、地球上の生物を死滅させるほどの力はない。

ちなみにハレー彗星は、76年に一度地球に接近する「短周期彗星」のひとつである。

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